前回の 第6話 では ──
小学4年生で訪れた分岐点のお話を書きました。
第7話の今回は ──
▶分岐点を経た 二人が
中学生になってからの 物語です。
■ それぞれの、中学生活。
娘たちは ──
それぞれ まったく違う中学生活を 歩むことになります。
First Daughter長女 ── 音中で 出会えた居場所。
長女は ──
私がかつて受験に失敗した 国立音楽大学附属中学を受験し、
入学しました。
(あの日のことは 第2話 に書きました。)
「トラウマの回収」だったのかもしれません。
でも 結果的には ──
大正解。
この選択をして 良かったと思っています。
のびのびとして 自由な校風。
それでいて、
とてもあたたかく、
生徒一人ひとりを 包み込んでくれる学校でした。
長女のような のんびりした子でも、
▶そのままで 受け入れてもらえる場所でした。
■ ある日、興奮して帰ってきた長女。
ある日 ──
長女が興奮した様子で 帰宅し、
こう言いました。
私、小学3年生の時、
お勉強ができなかったから ピアノ選んだんだったよね?
私、バカで よかった〜!!
ピアノ楽しい!
ピアノ選んで よかった!!
私は ──
思わず、言葉を失いました。
そして、
じわじわと 涙が込み上げてきました。
■ 怖くて、聞けなかったこと。
実はそれまで ──
怖くて 聞けなかったことが ありました。
ピアノ、好き?
もし「好きじゃない」と 言われたら どうしよう。
そんな不安が、あったからです。
でも この日 ──
初めて 本人の口から、
▶「楽しい」
「選んでよかった」
という言葉を、聞くことができました。
どれだけ ホッとしたか ──
今でも、はっきり覚えています。
■ 「いつから そう思ったの?」
その後、こう聞いてみました。
いつくらいから、
そう思ったの?
答えは ──
小学生の頃は、
自分がどう生きてたかも、
ピアノ弾いてたかも、
全然 記憶ない。
同時に、
はっと しました。
見えない枠の中で ──
自分自身を 見失ったまま、
過ごしていたのだと思います。
本当に、
申し訳ないことを したと感じました。
■ 中2の春 ── 1000人の前で。
中学2年生の時。
新入生歓迎演奏会に 選抜され、
1000人規模の大ホールで 演奏する機会を いただきました。
1000人分の拍手が、
押し寄せてくる。
これまでに感じたことのない 幸福感と高揚感を
味わったそうです。
そこから ──
人前で演奏することの 喜びを、
長女は 知っていきました。
ステージが 怖かった私とは、
真逆の反応に ── 正直、とても驚きました。
Second Daughter次女 ── 思いがけない 入学。
一方、
次女の中学受験は ──
控えめに言っても、
とても大変なものでした。
それでも 結果として、
希望していた学校に 合格することができました。
■ しかし ── その時、世界は 一変した。
時は 2020年2月。
そう ──
ダイヤモンド・プリンセス号のニュースが
連日 報道されていた頃です。
卒業、入学へと向かうはずの時期に ──
世界は、一変しました。
パンデミックです。
緊急事態宣言で 学校は休校。
入学式は 行われず、
オンライン授業からのスタートと なりました。
夏頃から 少しずつ登校が始まっても ──
- マスク 必須
- 会話を 控えた 昼食
- 消毒の 日々
常に、
見えないウイルスへの 警戒がありました。
■ 繊細な心への、影響。
もともと 繊細な次女にとって ──
この環境は、
決して楽なものでは ありませんでした。
電車通学も、大きな不安。
体調も 崩しがちになり、
▶多くの時間を 不調とともに 過ごすことに なります。
■ 後になって、気づいたこと。
娘の不調は ──
パンデミックだけが原因では なかったこと。
これは、
後になって 分かったことです。
私が 彼女に 負荷を かけすぎた。
その 反動もまた、
ここに 重なっていたのです。
(第6話の最後で書いた "生まれてしまった負の部分" ──
その正体の ひとつが、これでした。)
気づいた時には、
もう、その渦中に いました。
■ それでも ── 寄り添ってくれた、先生方。
それでも ──
学校の 先生方は、いつも寄り添ってくださり、
なんとか中学生活を終え、
そのまま 高校へと進学することが できました。
── 本当に、ありがたいご縁でした。
■ 同じ家庭で 育っても。
同じ家庭で育っても ──
歩む道も、感じることも、まったく違う。
「正解」は ない。 ── 改めて、そう感じた時間でした。
生徒さん 一人ひとりに "その子だけの 道" があると、
日々のレッスンで 強く感じる原点に、なっています。
■ ここまでが、子育て編 ③。
次回は ──
それぞれが さらに 大きく変化していく
高校生編のお話です。
ふたつの ちがう道に、
ふたつの ちがう光が さしていた。