前回の 第5話 では ──
まったく違う性格の 姉妹のピアノ生活のお話を書きました。
第6話の今回は ──
▶小学4年生で訪れた、分岐点の
お話です。
■ 先回りしすぎた、親。
今振り返ると ──
私は とても 先回りしがちな親でした。
娘たち二人とも、
小学1年生から 中学受験用の進学塾に通わせていました。
■ 本格化する、小4の壁。
中学受験の塾は、
小学4年生から一気に忙しくなります。
長女が小学3年生の冬。
塾は2月から新学年が始まるため、
私は長女と話をしました。
■ 長女との、対話。
お勉強とピアノ、両立は難しいかもしれないから ──
どちらかにしようか?
当時の長女は、
とても マイペースで のんびりした子。
言われたことを ゆっくり、80%程度 こなすタイプでした。
でも お勉強は もっと なぁ……
■ 親の、本音。
塾の成績が、思うように伸びていなかったからです。
「お勉強が苦手なら、
音楽で 心を豊かにするのもいいかも」
今思えば ──
少し乱暴な考え方だったと思います。
■ 今だから、思うこと。
小学3年生なんて ──
これからいくらでも 変わっていく時期。
▶可能性は、いつだって 無限大。
決めつけなくていい。
■ 長女の、選択。
こうして長女は、
進学塾を辞めて、
ピアノのレッスンを増やし、
音楽に向き合う道を 選びました。
■ 次女の、場合。
一方で、次女は ──
同じ小学3年生でも、
塾の成績が比較的安定していました。
わからないこと ない。
いつも、そう答えていました。
■ またしても、"親の決断"。
その言葉を そのまま受け取り ──
私はこう、決めました。
ピアノは ほどほどにして、
このまま 塾を続けよう。
これもまた ──
▶私が 勝手に、
決めたことでした。
■ 見えていなかった、もの。
実は次女は ──
とても感性が豊かな子で、
コンクールでも、
良い結果をいただいていました。
── でも、私は そこを 見ていなかった。
■ その後に、起きたこと。
しかし ──
小学4年生以降、
次女の成績は、急降下していきます。
結果として ──
お世辞にも華々しいとは言えない 中学受験となり、
本人にとっても、家族にとっても ──
苦しさの残る時間と なってしまいました。
そして ──
その過程で 生まれてしまった
負の部分も ありました。
今振り返ると、
あの時の選択がすべてではないにしても ──
▶「別の道もあったのではないか」
そんな思いが、今も残ります。
■ 後になって 知った、本音。
そして 後年 ──
次女から言われた言葉が、ありました。
ピアノ 続けたかったのに。
ママに やめさせられたと
思ってた。
その言葉を聞いた時 ──
胸が ぎゅっと なりました。
そうだったの…?
ちゃんと気持ちを 聞いてあげられなかったことを、
心から 謝りました。
でも ──
▶時間は、戻りません。
■ 親として、思うこと。
子どものためを思ってした 選択でも ──
それが本当に、
その子の望んでいたこととは 限らない。
親のものでは ない。 ── 当たり前のことだけれど、実際にそれを守るのは、とても難しい。
■ 今、教室で 大切にしていること。
この経験があるからこそ ──
私は今、
生徒さん 一人ひとりの気持ちに、
しっかり 耳を傾けることを 大切にしています。
その子にとっての選択を、
一緒に 考える。
そんな関わり方を、
これからも 続けていきたいと思っています。
■ ここまでが、子育て編 ②。
次回は ──
それぞれの道を 進み始めた 二人の
中学生時代のお話です。
聞こえていたはずの声を、
きちんと 聞けていただろうか。