前回の 第1話 では ──
順調に弾いていた子ども時代と、
初めてぶつかった「壁」のことを書きました。
第2話の今回は、
▶二度目の、大きな挫折のお話です。
■ 音大附属中学 ── 不合格。
そして、訪れたのは
二度目の大きな挫折でした。
中学受験で目指していた、
音大附属中学。
不合格。
高校での再チャレンジを
考え始めた、その直後 ──
さらに大きな出来事が、待っていました。
■ 忘れられない、あの日のレッスン。
不合格のあと、
ある著名なピアノの先生のレッスンに伺いました。
その時に言われた一言は ──
声のトーンも、空気も、レッスン室の風景も含めて、
40年近く経った今でも、鮮明に思い出せます。
高校のピアノ科は、難しいよ。
声楽なら、今からでも
なんとかなるかもしれないけれど。
■ それでも、私のなかには 小さなプライドがあった。
今振り返れば ──
声楽に進むという道も、
きっと 楽しかったと思います。
でも、当時の私には
小さな、でも 確かなプライドがありました。
ピアノ以外なんて、考えられない。
その想いだけが、
強く 心にありました。
■「なにくそ!」── 練習しても、変わらない現実。
もちろん ──
「なにくそ!」という気持ちで、
自分なりに 練習も重ねました。
でも、
- 暗譜が、苦手
- 聴音が、取れない
この現実は、
なかなか変わりませんでした。
今思えば ──
あの先生は 出会ったその日に、
▶私の "耳の弱さ" を、
見抜いていらしたのだと思います。
■ 中学3年の春 ── 両親に伝えた、決意。
そして 中学3年の春。
私は 両親に、
こう伝えました。
音楽高校の普通科に進もうと思う。
ピアノは好きだけど、
今の私には 教育学科に進んで
先生を目指す方が、
合っていると思う。
両親は、正直
少し残念そうでした。
でも ──
私の気持ちを 尊重してくれて、
それなら 普通科を目指して、頑張りなさい。
そう、言ってくれました。
■ 諦めるのではなく、
進み方を 変える。
離れる道。
でも、
歩く道を 選びなおす。
ピアノの道を "やめる" わけではない。
でも ──
▶進み方を、変える。
とても大きな 決断でした。 ── 15歳の春の、しずかな分岐点。
■ ここまでが、第2話。
「ピアノ科を目指さない」と決めた私が、
この先 ──
どのように ピアノと向き合っていったのか。
普通科という道で、
ピアノは どんな存在になっていったのか。
道を変えることは、
想いを諦めることでは ない。