娘が「海外の大学に行きたい」と言い出したのは、
中学2年生のときでした。
カナダへの2週間の短期留学から帰ってきたあと、
「英語圏の音楽大学に行きたい」と話すようになりました。
最初は正直、軽く受け止めていました。
「いいね、素敵だね」と言いながらも、心の中では
▶「いやいや…現実的に無理でしょ」
そう思っていました。
でも、娘の気持ちは変わることなく、
少しずつ英語の勉強にも本気で向き合い始めました。
本人もきっと、簡単ではないとわかっていたと思います。
それでも、
▶「可能性が1%でもあるなら、やってみたい」
そんな思いだったのだと言います。
■ 悩み
高校2年生になり、
改めて「やっぱり海外に行きたい」と。
音楽留学のエージェントに、二人で足を運びました。
最初に聞いたのは、
「一番安く行けるところはどこですか?」
という、とても現実的な質問でした。
返ってきたのは、
- アメリカはかなり高額
- どの国も簡単ではない
という厳しい現実。
帰り道、二人ともほとんど話さず、
なんとなく重たい空気のまま帰ったのを覚えています。
▶「やっぱり難しいのかもしれない」
そう感じて、その後しばらく留学の話は出なくなりました。
■ 決断
でも、不思議なもので
「タイミング」というものがあるのですね。
高校3年の春。
いくつかの環境の変化が重なり、
ロンドンの大学を目指すことになりました。
そこからは、多くの先生方に支えていただきながら、一歩一歩進んでいき、
▶念願だった留学を実現することができました。
イギリスの大学出願はUCASというシステムを使い、
そのサイトから5校まで出願できます。
エージェントに頼んで出願することもできたそうですが、
自分でやると言って自力で出願。
結果、かなり大変でした…(お勧めしません。笑)
■ 現在
現在、娘はロンドンの大学で学び、
4年間のうち半分を終えようとしています。
日々とても充実しているようで、
毎日の中に新しい発見があると話してくれます。
歴史ある街並みと、自然、文化。
そのすべてが混ざり合うロンドンの空気を、
心から楽しんでいるようです。
「見る景色や空気の違いが、
自分の音楽に影響している気がする」
そんなことを話してくれたこともありました。
今では
▶「1日でも長くここにいたい」
と言って、夏にしか帰ってきません。
■ Royal College of Music(通称RCM・英国音楽大学)について
RCM ── Royal College of Music
通称RCM、日本では英国音楽大学とも呼ばれます。
学校はサウスケンジントンにあります。ロンドンでも大変環境の良い場所で、同じブロックにインペリアル・カレッジ、北にロイヤル・アルバート・ホールやハイドパークが広がり、治安も良い地域です。
大学敷地内に寮はなく、電車で数駅移動した先にプリンス・コンソート・ヴィレッジという提携している寮があります。24時間練習可能な防音のレッスン室がたくさんあり、RCMの生徒の多くがこの寮に住んでいます。築も浅く、とても綺麗で快適です。
食堂はなく、数人でシェアするキッチンがいくつもあり、皆自炊をしています(ミニキッチン付きの部屋もあります)。
娘の部屋は2階の角部屋で、ラッキーにも2面に窓があり、通りに面しているので赤いロンドンバスが頻繁に通ります(部屋は寮で割り当てられるので、どんな部屋になるかは運次第です)。
■ 親として思うこと
不思議なことに、
私はあまり寂しさを感じていません。
むしろ、
▶娘を通して留学を体験させてもらっているような感覚
があります。
今はLINEで気軽に話せる時代。
まるで近くにいるかのように感じることもあります。
■ お金やタイミングについて
正直に言うと、留学には大きな費用がかかります。
さらに今は円安もあり、
決して簡単な選択ではありません。
でも、
▶「一番いいタイミング」は誰にもわからない
そう思っています。
もし何かあれば、
帰ってくるという選択もあります。
だからこそ、
▶「今やりたい」という気持ちを大切にすること
それが一番なのではないかと感じています。
■ 最後に
あのとき「無理かもしれない」と思っていたことが、
今こうして現実になっています。
子どもの可能性は、
親が思っているよりもずっと広いのかもしれません。
そして親にできることは、
▶すべてを用意することではなく
▶「やってみたい」を応援すること
なのだと、今は感じています。